GUINIER DERIVATION¶
回転半径 Rg は、その重心を中心とした高分子の質量分布を表す。高分子が基質結合中に立体構造の変化を受けている場合、特に、潜在的に実験中に測定できる非常に強力なパラメーターである。 Rg は2次慣性モーメントと呼ばれることもあり、詳しくはこの wiki を見てほしい。
\[I(q)=4 \pi \ln I(0)-\frac{ (R_g)^2 }{ 3 } \cdot q^2\]\[y=b+mx\]
ギニエ解析はゼロ散乱角に最も近い領域における小角散乱データの線形化である。古典的な散乱の説明から始めると、以下はギニエプロットと解析の起源である。
\[I(q)=4 \pi \displaystyle \int_{ 0 }^{ d_{ max } } P(r) \cdot \frac{\sin (q \cdot r)}{q \cdot r} dr\]
上記の正弦関数は、テイラー級数関数で近似することができる。けれども、方程式はゼロ角度に最も近い実験データを評価するため、 \(a=0\) を設定して、正弦のマクローリン級数展開を生み出すことができる。
- \(\sin(x)\) のテイラー級数展開
\[\sin (q \cdot r)= \sin (a)+ \frac{\cos (a)}{1!} (q \cdot r -a)- \frac{\sin (a)}{2!}(q \cdot r-a)^2 - \frac{\cos (a)}{3!}(q \cdot r-a)^3+\frac{\sin (a)} {4!}(q \cdot r-a)^4+…\]
- a=0 における関数の評価
\[\sin (q \cdot r)=(q \cdot r)-\frac{1}{3!} (q \cdot r)^3 - \frac{1}{5!}(q \cdot r)^5 + …\]
正弦関数のマクローリン表現は式を単純化し、古典的な散乱方程式を qとr の変数で多項式として書き直す(次の誘導を参照)。ここで、 q が非常に小さい、例えば0.003未満の時に関数が評価されるという事実を考慮すると、高次の項は本質的に関数に寄与しない( \(q^4=0.000000000081\) )。
- 正弦関数の多項式置換
\[I(q)=4 \pi \displaystyle \int_{ 0 }^{ d_{ max } } P(r) \cdot \frac{1}{q \cdot r} \left [ (q \cdot r)-\frac{1}{3!}(q \cdot r)^3 -\frac{1}{5!}(q \cdot r)^5+… \right ] dr\]
- 各項を展開する
\[I(q)=4 \pi \displaystyle \int_{ 0 }^{ d_{ max } } P(r) dr-4 \pi \cdot \frac{1}{3!} \displaystyle \int_{ 0 }^{ d_{ max } } P(r) \cdot (q \cdot r)^2 dr-4 \pi \cdot \frac{1}{5!} \displaystyle \int_{ 0 }^{ d_{ max } } P(r) \cdot (q \cdot r)^4 dr+…\]\[基本的に(q \cdot r)^4はゼロになるものとして考える。( q=0.003 )\]
したがって、展開の最初の2つの項を有意であるとみなし、高次の項 \(q^4,q^6,q^8,…\) を無視することができる。
- 再び書き下してと単純化すると、
\[I(q)=4 \pi \displaystyle \int_{ 0 }^{ d_{ max } } P(r) dr-4 \pi \cdot \frac{q^2}{3!} \displaystyle \int_{ 0 }^{ d_{ max } } r^2 \cdot P(r) dr\]
- 第1項を除く準備をすると
\[I(q)=4 \pi \displaystyle \int_{ 0 }^{ d_{ max } } P(r) dr-(4 \pi \cdot \frac{q^2}{3!}) \cdot \frac{\displaystyle \int_{ 0 }^{ d_{ max } } P(r) dr}{\displaystyle \int_{ 0 }^{ d_{ max } } P(r) dr} \cdot \displaystyle \int_{ 0 }^{ d_{ max } } r^2 \cdot P(r) dr\]
ここで、 l(0) と Rg を以下のように定義して置き換える必要がある。
- l(0) と Rg の定義
\[I(q)=4 \pi \displaystyle \int_{ 0 }^{ d_{ max } } P(r) dr \left [ 1-( \frac{q^2}{3!}) \frac{\displaystyle \int_{ 0 }^{ d_{ max } } r^2 P(r) dr}{\displaystyle \int_{ 0 }^{ d_{ max } } P(r) dr} \right ]\]\[I(0)=4 \pi \displaystyle \int_{ 0 }^{ d_{ max } } P(r) dr\]\[Rg^2=\frac{1}{2} \cdot \frac{\displaystyle \int_{ 0 }^{ d_{ max } } r^2 \cdot P(r) dr}{\displaystyle \int_{ 0 }^{ d_{ max } } P(r) dr}\]
- 置換
\[I(q)=I(0) \cdot (1- \frac{q^2 \cdot Rg^2}{3})\]
方程式は線形方程式ではない。しかし、ギニアの接近は、 \((1- \frac{q^2 \cdot Rg^2}{3})\) が下記の \(e^x\) のテイラー級数展開であると認識する。この痴漢は関数の近似であり、依然として q を小さくする必要がある。
- q をゼロへ近似
\[I(q)=I(0) \cdot (1- \frac{q^2 \cdot Rg^2}{3})\]\[e^xのテイラー展開\]\[e^x=1+x+ \frac{x^2}{2!}+ \frac{x^3}{3!}+…\]\[x=- \frac{q^2 \cdot Rg^2}{3}\]
- 置換
\[I(q)=I(0) \cdot (1- \frac{q^2 \cdot Rg^2}{3})\]
最後に、両辺の自然対数を取り、 \(y=mx+b\) の認識可能な形式を導くことによって方程式を線形化することができる。
\[\ln I(q)= \ln I(0)- \frac{Rg^2}{3} \cdot q^2\]\[y=b+mx\]